いつも子どもたちが教えてくれる、人が成長するために大切なこと
子どもの成長は本当に早い。
特に、ひきこもり期間の長い子ほどフリースクールに通い出してからの変化は大きいのかもしれない。
せみが土から出てきたらものすごいスピードで変化するかのように。
身長の変化は子どもたちはすごく敏感。
新しく購入した赤外線で測る身長測定器はいつも人気。
「おー!伸びてるー!」
「私縮んだかも…」
そんな声をよく聞く。
一方、目には見えない成長も著しい。
緊張しながらフリースクールの扉を開け、どんな人たちがいて何をどんなふうにするところなのか。
そこに果たして自分は馴染むことができるのか。
少しずつ本来の自分を出し始め、大人に叱られたり喧嘩をしたりトラブルを招きながら自分を順応させていく。
自分に余裕ができ始めると、役割を持ったり誰かに貢献したりすることで自己有用感が芽生え始める。
年齢に関係なく「ここ」に長くいる子ほど、早くこの段階に到達する気がする。
「ここ」は、この部分がとても強い。
自分より早く「ここ」に入学していた先輩の姿を見ながら、自分のポジションや役割を意識し始める。
これは、恐らく自分自身がどれだけしんどい想いを経験して「ここ」にたどり着いたかが起因していると思われる。
例外なく「ここ」に来る子は、学校でつらい経験をしてきた子たち。
自分がそうであったように、新しく入ってきた子も同じように何かしらの学校にまつわる経験を積んできていることは暗黙の了解。
普段は口数の少ない子も、積極性がない子も新しく来た子には手を差し伸べてくれる。
「一緒に遊ばへん?」
「掃除のやり方わかる?」
「初めまして!何年生?」
そんな姿を何度も見てきた。
今日は、学習面での驚きの成長について。
入学してくれた2年前は、学習に向かうことができずそのことで何回も話し合いを重ねた。
少しずつ机に向かえる日が増え、今では友達の学習意欲が低い時でも黙々と取り組むことができ、興味のある教科の幅も増えた。
そして今日、自分の計算と答えが合わないと声をかけてくれ、久しぶりに彼の学習を見た。
ほんの少し前にもチェックはしたが、驚くくらいのスピードで学校の範囲に近づいている。
「早く学校の勉強に追いつきたいねんなー」
そう言っていた彼の答案を見て、コツコツと勉強してきた成果が確実に出ていると感じた。
心から尊敬できる生徒が「ここ」にいてくれる幸せを感じた一日でした。
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。