学校総出で今すぐゲーム大会を開いた方がいい理由
「タイマン闘CoCo壱武道会2020」
昨日は、男子生徒を中心に朝からソワソワしていた一日だっただろう。
なぜなら、生徒が自ら企画・準備し主催をしたフリースクールここ吹田校【あまかり】・南吹田校【いどばた】合同の大人気格闘ゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」の大会の日だったからだ。
大会のタイトルは、「タイマン闘CoCo壱武道会2020」。
恐らく大手カレーチェーン店とメガヒットマンガに引っ張られて付けたのだろう。
主催者のセンスを感じる素晴らしいネーミング。
何週間も前から、全生徒への案内の制作をしたり賞品を発注したり商品を入れる箱を作ったり実力を考慮したマッチングを決めたりと、ホントにコツコツと準備を重ねてくれた。
時期が時期だけに開催が危ぶまれたが、彼のプレゼン力とコロナはもちろんあらゆる所における配慮があると感じられたため開催を許可した。
大会は序盤から大盛り上がり。
生徒はいつになく緊張している。
そらそうだ。
何しろ観戦する30名ほどの視線を感じながら前に座り、スクリーンでプレイしなければならない。
歓声は、スポーツ観戦に負けないくらい驚くほど上がる。
スプラトゥーンの全国大会に参加した時に度肝を抜かれたが、たかがゲームの大会と思っていると腰を抜かすことになる。
この大会に出場するだけでも相当な覚悟を持って決断をした生徒も少なくない。
一戦目を終えた生徒たちからは、
「やばい!プレッシャーが半端ない!」
「手が震える!汗が止まらん!」
そんな声も聞こえた。
大人がボコボコにされる時間
大会には三科も参戦。
1試合目は馬場だったので目を瞑ってでも勝てたが、2戦目からは生徒と当たる。
こんな体勢でもボコボコにされた。
うそだろ?
どこでコントローラーを持ってるんだよ。
いや、両手両足を駆使してこそできる必殺技を出しているに違いない。
もはやスポーツだ。
大学生活の全てをスマブラに費やした上岡(右)も参戦。
そんなマスクの小さい上岡も準決勝で敗退。
大会の結果はいかに
毎試合白熱のバトル。
まさかの大逆転劇やお笑いのような試合もある中、激戦を制したのはなんと主催者の高校生。
誤解がないように説明をしたいが、過去のスマブラ大会で彼は優勝をしたことがない。
主催をしても勝てないことは当然だし、フリースクールここオンライン校【えんたあ】のスマブラ部の大会でも彼が一番を取ることはなかった。
それほど「ここ」の上位勢の実力は伯仲している。
しかし、今回の勝者は彼に決まった。
だから余計に盛り上がった。
どよめきと大歓声の中、彼は勝利を掴んだ。
皆が彼の優勝を称えた。
見ていて涙が出そうになった。
おめでとう。
大会がもたらしてくれた効果
試合中、大会に参加している子もそうでない子も【あまかり】【いどばた】間での交流が昨日は多いように感じた。
子どもたちを繋ぐ役割のゲーム。
昔で言うと、めんことか筋消しのような物かもしれない。
それが今はツールの一つとしてゲームがある。
大会後は【あまかり】代表4名と【いどばた】代表4名の各校の名をかけた交流試合が生徒からの要望で開催された。
大会はハードルが高かったけど、これならと参加をしてくれた子どももいた。
コロナ禍でのゲームの役割
コロナ禍で、新しい生活様式に慣れることができる子もいれば、動きが制限されてストレスを溜める子もいる。
全てが前例のない出来事で、その中で対応を迫られる子どもたちへの負担はとても大きい。
まして不登校の子どもたちは、外で運動をしようにも同級生と出逢うことが気になり公園にすら出掛けることが難しい子もいれば、ようやくフリースクールに通うことが慣れ始めたけど自粛をしなければならず再びひきこもり生活に戻らざるを得ない子もいる。
そんな八方塞がりの状況を打破してくれたのが彼である。
そして、彼の背中を見てきた後輩たちは、人を思いやりながらもやりたいことをどんどん形にし、言いたいことはハッキリと伝え絶妙なセンスで笑いを取る彼に憧れている。
「いつかオレもあんな人になりたい。」
そんな声をよく聞くようになった。
誰でもどこでも同じことができるかと言われれば難しいことは百も承知だが、このコロナ禍で同じような課題を持っている学校やフリースクールなどでこんな企画ができたら最高だろうなと思う。
オンラインで開催すれば場所もそれほど必要でもないし、工夫次第では会場の盛り上がりや臨場感は何とでも演出できる。
大切なこととオススメ
そして、一番大切にしてほしいこと。
大人も一緒にガチでやる。
先生、職員、スタッフ、支援者の皆さん。
そしてご家族の皆さん。
ぜひガチでゲーム大会をしてみてください。
テレビゲームだからこそ離れてでもできるし密にもならない。
リングフィットアドベンチャーなら、体バキバキになります。
生徒たちが教えてくれたこと
ニュースを見ていると先のことが不安でたまらなくもなりますが、決して悲観的なことばかりではありません。
ピンチはチャンス。
おもしろき こともなき世を おもしろく。
そんなことを改めて教えてくれた生徒たちに感謝です。
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。