4度目のTHE FIRST SLAM DUNKと障がいについて

こんばんは。
今日は珍しく真面目な話です。

早朝にしか上映していない超ロングランの「THE FIRST SLAM DUNK」を観に行きました。4回目の鑑賞です。

3回目は年末にレイトショーで。
それからなので半年ぶりです。

ホントはもっともっと観に行きたかったけど、理由があってこんなにも時間があいてしまいました。

その間に、テレビでは声優さんの裏話が聞けたり公式の解説本なども観ていたので、改めて作品を色んな視点から観ることができて、期間があいたことでむしろよかったと思えることもたくさんありました。

4回目が一番泣きました。
もう恥ずかしいくらい泣いてしまいました。
海に溺れたような感覚でした、しんど。

登場人物のふとした一瞬の表情だったり、色遣いや音楽の構成とタイミング、効果音の使い方や物語の行き来のタイミングなど、監督が仕掛けた色んな表現があらゆるところに散りばめられていることを感じました。

「今なんでこの人はあっちを見たのかな?」とか「あそこでこの演出はもしかしてこんな意味があるのでは?」と3回目まででは気づかなかった色んな楽しみ方ができました。

まだの方はぜひ!1度しか見ていない人はあと5回観ることをお勧めします。


さて、年末に3回目のTHE FIRST SLAM DUNKを観に行った話に戻ります。

実はこの日、あまりにもショックなことがあって年末年始を台無しにしてしまいました。

それくらい僕にとっては大きな出来事が映画館で起こってしまいました。いや、起こしてしまいました。

その日は、年末のレイトショーということもあって地元の若い社会人の子たちが集まる映画館でした。

うーん、しまったなぁと思いながらも渋々予約をしていた席に着くと、案の定後ろの若い団体客がずっとスマホで動画を爆音で流していたり、大声で喋っていたりしました。

店員さんに言うか悩みましたが、空席もかなりあったため自分が動こうと思い、一番後ろの誰も予約をしていなさそうな席に移動をしました。

しばらくすると、まさかのそこの席を予約をしていたであろう若い5,6人のグループが前に来て、「あれ?」と言ったので「すいません…」ともう一度席を移動しました。

あー、しまったなー。やっぱり移動したらあかんかったかなー、でもあのうるささは無理やなーと思いながら映画を観ていると、さっきのグループがこっちをずっと見ています。

「あいつ、タダで映画観てるんちゃうん?」「きも!」。
そんな声が聞こえてきました。

うーん、どうしよう。
まぁ悪いのはオレやし仕方ないかと集中できないまま映画が終了。

あー、もう二度と年末のレイトショーには来ないでおこうと思いながら席を立つと、そのグループのうちの一人がずっとこっちを見ています。

やめといた方がいいのに、目を逸らさずに近づいていくと「お金払ってないんすか?キモいっすよ?」と言われました。

あはは、残念。チケットあるよ、と半券を見せサヨナラ。
「なんなん?」「きも!」と言っていますが無視です。
階段を降りて出口に差し掛かろうとしたその時、思わぬ一言をその人が口にしました。

「障害あるんちゃうん?おい障害!病気か!」

あとほんの数メートルで出口だったのに、その言葉を聞いた瞬間我を失ってしまいました。

気が付けばその男に向かって猛ダッシュし飛びかかろうとしている自分がいました。

「おい!今なんて言ったんじゃこらぁ!!」

映画館中に響き渡るくらい大声を出してしまい、もう何も考えられなくなっていました。

その男は、グループの中に逃げ込み席の遠くへ行き、「うわ!やめろ、障害がうつる!」とまで言いました。

周りの仲間もその男を囲いながら「やめとけ!何も言うな!」と喧嘩を止めようとします。

一方僕は、「おい!!お前に障害の何がわかんねん!こっちこい!○○してやるぞこらぁ!」ともうブチ切れてしまいました。

今思い出してこうして記事にしているだけでも動悸が止まりません。

これまで出逢った色んな子どもたちの顔が出てきました。

絶対許せない。こいつをこの社会に放置しておくと傷つく子どもが出てくる。

今、こいつを反省させて二度と口がきけないようにしてやるというくらいにまで思ってしまいました。

殴り合いの喧嘩なんてほとんどしたことがないし、ましてやチキンの代表のような性格の僕ですが、もう後には引けない状況でした。

その男を囲っている仲間を振り切り、なんとか手が届く距離にまで詰めることができた瞬間、子どもではなく「ここ」のスタッフのことが頭をよぎりました。

今、ここでこの手を振りかざしたら、「ここ」でずっとがんばってくれているスタッフは路頭に迷ってしまう。
スタッフが悲しむ。

頭は血が上り切っていてそんなことを考える余裕はなかったはずなのに、スタッフの顔がなぜか鮮明に目の前に出てきました。

一瞬ためらった隙に、男はどんどん奥に逃げ僕は仲間に取り押さえられてしまいました。

途端に我に返り、仲間の腕を払いのけゆっくりと出口に再び戻りました。

不思議なことにそれを止める人は誰もいなく、映画館は静まり返り誰も一言も発しませんでした。

駐車場に向かいながら、自分はなんてことをしてしまいそうになったんだとクラクラしていました。

でも、あいつをこのまま放っておくわけにはいかんやろ。子どもたちに見せる顔がなくなる。三科さんはそんなやつに何もせんと帰ってきたんかと思われる。

そんなことを思いもしましたが、なぜか涙だけが流れ続けました。

ごめん。ごめんな。

誰に謝っているのかもわからないまま、家に帰りました。

そこからずっとSLAMDUNKを観れずにいました。

なんならずっとあの時どうすることが正解だったのかはわからずに今に至ります。

今日も今日とて、腸が煮え切り替えるような出来事があり冷静さをかきました。

凹みながら記事を書いています。

大きな決断をしなければいけないにも関わらず、感情に左右されどうにでもなれと思ってしまう自分もいます。

一体スラムダンクから何を学んだんだとイヤになります。

僕が一番好きなシーンは、宮城が「ドリブルこそチビの生きる道なんだよ!」と言うところです。

恐くて怖くてたまらないところで、お兄ちゃんの教えやお母さんの想い、そして自分自身を信じ切った瞬間に試合が動く、その瞬間があの映画で一番感動するシーンです。

自分にもいつかそんな瞬間が来ると信じて、信じて、ずっと信じて、あの日の自分を越えてみせます。

子どもたちにかっこいい背中を見せたいなぁ。

最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。