お問い合わせ
ブログ

ブログblog

不登校の理由が分からないときはどうすればいい?中学生の子に寄り添うには

不登校の理由が分からないときはどうすればいい?中学生の子に寄り添うには

中学生の子どもが突然学校に行かなくなると、親は大きな不安を抱えます。「なぜ行けなくなったのか」と理由を知りたいと思っても、子どもから明確な答えが返ってこないことは少なくありません。

不登校の背景には、勉強や友人関係、家庭環境、心身の不調など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。当記事では、中学生の不登校で理由がわからないのはなぜか、そして親ができる関わり方について解説します。

【この記事はこんな方におすすめです】

  • 子どもの不登校に悩んでいる方
  • 子どもが不登校になった理由が気になっている方
  • 不登校の子どもとの関わり方を模索している方

中学生の子どもが不登校に|理由がわからないのはなぜ?

中学生の子どもが不登校に|理由がわからないのはなぜ?

中学生の子どもが突然不登校になると、親としては「どうして学校に行けなくなったのか」が知りたくなるものです。しかし、問いかけても子どもから明確な答えが返ってこないことは少なくありません。

不登校の背景には複雑な事情があり、子ども自身も整理できていない場合や、言いたくても言えない事情を抱えていることもあります。ここからは、なぜ理由が分からないまま不登校になってしまうのかを解説します。

理由はひとつではないため

不登校の原因は「これが理由だ」とひとつに特定できないことが多くあります。勉強のプレッシャー、友人関係の悩み、家庭環境の変化など、いくつもの要素が複雑に絡み合うことで「学校に行けない」という結果に至ります。さらに、最初のきっかけは解消されても、その後「長く休んでしまったから戻りづらい」「今さら行ったら周囲にどう思われるか不安」といった新しい悩みが積み重なることもあります。

このように複数の要因が重なり合うことで、本人も親も原因をはっきり特定できなくなってしまいます。不登校の背景を理解するときは「ひとつの理由に絞らない」視点が大切です。

子ども自身がうまく言語化できないため

不登校の理由が分からない背景には、子ども自身が自分の気持ちをうまく言語化できないというケースもあります。

中学生は思春期を迎え、心身ともに変化が大きい時期です。「なんとなく学校に行きたくない」「朝になると体調が悪くなる」など、漠然とした不安や無気力感を抱えても、それを言葉にして説明するのは簡単ではありません。

また、コミュニケーションが苦手な子どもにとっては、言いたいことを表現できず「分からない」としか言えないこともあります。中には本人自身が本当に理由を理解できていない場合もあるので、子どもがうまく言葉にできない状況を理解し、焦らず耳を傾ける姿勢が必要です。

人に言いにくい理由があるため

子ども自身は理由を分かっていても、「言いたくなくて言わない」というケースもあります。親に知られるのが恥ずかしかったり、心配をかけたくなかったりなどの気持ちを抱えていると、子どもはなかなか理由を打ち明けてくれません。また、「話したら余計に大ごとになりそう」「先生や友達に知られたらもっと状況が悪化するかもしれない」と不安を感じ、あえて黙っていることもあります。

こうしたケースでは、親が「どうして言わないの?」と問い詰めても逆効果になってしまいます。子どもが安心して話せるような信頼関係を築き、言葉ではなく態度や行動の変化から背景を察する必要があります。

不登校の理由として考えられる要因は?

不登校の要因には、家庭での環境や学校生活の悩み、心や体の不調などが複雑に重なっています。ここでは、不登校の理由として考えられるものをいくつか紹介します。

ただし、必ずしも以下で紹介する要因がすべての子どもに当てはまるわけではありません。親ができることは「決めつけない」ことと、子どもの様子をよく観察しながら、その子なりの背景を理解しようと寄り添うことであると念頭に置きましょう。

家庭の理由

家庭環境は、子どもの心に大きな影響を与えます。たとえば、親からの叱責が多く親子関係がぎくしゃくしている場合や、過干渉・無関心といった家庭内の関わり方の問題が続くと、子どもは家にこもりがちになり、不登校につながることがあります。

思春期は自立を意識する一方で、家族の支えを必要とする時期でもあります。家庭の土台が不安定だと、子どもは学校生活への意欲を失いやすくなります。家庭での小さな変化やサインを見逃さず、安心できる居場所を整えてあげることが、不登校からの回復にもつながります。

学校の理由

学校生活に関する要因も、不登校につながりやすい大きな理由です。特に中学生は人間関係が複雑化し、いじめや友人とのトラブル、部活動での上下関係などに強いストレスを感じることがあります。生徒同士の他に、先生との相性が合わない場合や、注意・叱責に敏感に反応してしまう子どもは、学校を安心できる場所と感じられなくなることもあります。

学業面では、小学校に比べて学習内容が難しくなり、つまずきが積み重なることで「勉強についていけない」という劣等感が不登校の引き金になることもあります。

心身の理由

思春期の子どもはホルモンバランスの変化や精神的な不安定さから、漠然とした無気力や不安を抱えやすくなります。その結果、「学校に行きたい気持ちはあるけれど体が動かない」「朝になると腹痛や頭痛が出る」といった症状が見られることもあります。

医学的には、起立性調節障害(OD)や過敏性腸症候群(IBS)などの病気が隠れている場合もあります。心身の不調は「怠けている」と誤解されやすいですが、本人にとっては大きな苦しみです。まずは子どもの体調や気分の変化を注意深く観察し、必要に応じて医療機関や専門家に相談しましょう。

中学生の不登校の理由を知るために親ができることは?

中学生の不登校の理由を知るために親ができることは?

子どもが不登校になったとき、親ができるのは焦って理由を探ろうとすることではなく、子どもの気持ちを尊重しながら向き合うことです。ここでは、子どもが安心して自分の思いを伝えられるようになるために、親ができる工夫や心構えを紹介します。

子どもが話してくれるのを待つ

親が急いで学校に行けない理由を聞き出そうとすると、かえって子どもを追い詰めてしまうこともあります。大切なのは「今は話せなくてもいい」と考え、子どもの気持ちが整うのを待つ姿勢です。

日常会話の中でさりげなく寄り添い、安心感を積み重ねていくことで、子どもは少しずつ本音を話せるようになります。親が落ち着いて見守ることが、子どもの心を開く第一歩につながります。

相談してくれると嬉しいということを伝える

子どもは「相談したら迷惑をかけるのでは」「心配させてしまうのでは」と思い、悩みを打ち明けられないのかもしれません。そんなときは、親が「あなたが話してくれたら嬉しい」「一緒に考えたい」と伝えるだけで、子どもの心は軽くなります。

大切なのは「問い詰める」のではなく、「相談できるよ」と安心感を与えることです。また、話してくれたときには否定せず、まずは「教えてくれてありがとう」と受け止めましょう。たとえ親にとって小さな悩みに思えても、子どもにとっては大きな問題です。

子どもが「相談していいんだ」と感じられる関係を築くことが、不登校の背景を知る大きなきっかけになります。

第三者に相談する

親子だけで解決しようとすると、お互いに感情的になったり、問題が複雑に絡まって見えなくなったりすることがあります。そのようなときは、第三者に相談しましょう。学校の担任やスクールカウンセラー、地域の相談窓口、医療機関など、専門的な視点から子どもに合ったサポートを受けられる可能性があります。また、親自身も誰かに話すことで気持ちが整理され、余裕を持って子どもに接することができるでしょう。

大切なのは「親だけで抱え込まない」ことです。信頼できる第三者と連携しながら、子どものペースを尊重した支援を続けることが、不登校からの回復に向けた大きな一歩です。

まとめ

中学生が不登校になる理由は、単純に「勉強が嫌だから」「友人関係がうまくいかないから」といったひとつの原因で説明できるものではありません。複数の要因が重なり合い、子ども自身も整理できなかったり、言いたくても言えない事情を抱えていたりすることがあります。

だからこそ、親が焦って理由を問い詰めるのではなく、子どものペースに合わせて待つ姿勢や、相談してくれたことを受け止める姿勢が大切です。必要に応じてスクールカウンセラーや医療機関などの第三者と連携することで、より適切なサポートにつながります。

子どもが安心して過ごせる環境を整えながら、無理のない歩みを支えていくことが、不登校からの回復に向けた第一歩です。