不登校から学校にいけるようになったきっかけ6つを紹介
不登校の期間が続くと、「このまま学校に戻れるのだろうか」「どう支えれば良いのか」と不安を抱えるご家庭も多いものです。しかし、再登校のきっかけは決して特別な出来事だけではなく、日常の中にある小さな安心や、信頼できる人との出会いなど、思いがけない場面から生まれることも少なくありません。
当記事では、実際に多く見られる再登校のきっかけと、親ができる具体的なサポート方法を解説します。子どもの変化を焦らせず、そっと支えたい保護者の方はぜひ参考にしてください。
【この記事はこんな方におすすめです】
- 子どもの不登校で悩んでいる方
- 子どもの不登校の事例を知りたい方
- 学校復帰の方法を知りたい方
目次
不登校から学校に行けるようになったきっかけは?

不登校から再び学校に足を運べるようになるきっかけは、1つではありません。家族や友人との関わり、信頼できる大人との出会い、環境の変化など、子どもによって理由は大きく異なります。
共通しているのは、「安心できる存在」や「小さな成功体験」が自信につながり、登校への一歩を後押しするという点です。ここでは、実際の体験談から多く挙げられたきっかけを紹介し、不登校から抜け出すヒントをわかりやすく解説します。
仲のいい友人と連絡を取った
昔から仲の良かった友人と再び連絡を取ったことが、再登校のきっかけになるケースは多くあります。学校で嫌な思いをしていたとしても、気心の知れた友人とのやり取りを通して「自分は一人じゃない」「また誰かとつながっていたい」という気持ちが湧き上がってくることがあります。
対面で会うのが難しくても、SNSやオンラインゲーム、メッセージだけのやり取りでも十分効果的です。不登校の克服には、無理のない範囲で人とのつながりを持つことが、大切な後押しになります。
信頼できる第三者ができた
家族以外に安心して話せる大人ができたことが、不登校克服のきっかけになることがあります。たとえば美容師さんや習い事の先生、店員さんなど、学校とは関係のない人との何気ない会話が心の支えになるケースも多いものです。「自分を否定しない」「そっと寄り添ってくれる」という存在ができると、子どもは安心感を得て自己肯定感が高まり、自然と外に向かう力が戻ってきます。
信頼できる第三者との出会いは、環境が変わるだけでなく、気持ちの面で前向きになる大きなきっかけとなります。
学校外で仲間ができた
塾、習い事、ボランティア、アルバイトなど、学校の外で仲間ができたことをきっかけに再登校につながるケースも多く見られます。学校がすべてではない場所で温かく迎えられる体験は、子どもの自信回復につながりやすいものです。
また、学校外の仲間に不登校の悩みを相談しやすいというメリットもあります。共通の話題を通じて自然とつながれるため、学校では緊張してしまう子でも安心して人間関係を築きやすいのが特徴です。
カウンセリングを受けた
不登校の背景には、本人も気づきにくいストレス、精神的な不調、発達特性、病気などが関係している場合があります。こうした場合、外部の専門機関でのカウンセリングや治療が再登校のきっかけになることがあります。
専門家のサポートを受けると、自分の気持ちが整理できたり、不安や症状が軽減したりし、心が軽くなることが多いものです。場合によっては、薬の服用が効果的なケースもあります。不登校は「甘え」ではなく、適切な支援が必要な状態であることを理解し、専門家の力を借りることは決して悪いことではありません。
学校行事に参加できた
文化祭、体育祭、修学旅行、定期テストなど、学校行事に思い切って参加したことが転機になることがあります。実際に参加してみると、思っていたよりも周囲が優しかったり、楽しいと感じる瞬間があったりして、「自分はここにいて大丈夫なんだ」と実感できることがあるためです。
テストで良い結果が出て自信につながったケースや、行事の準備期間から自然にクラスになじめたケースなど、成功体験がその後の登校につながります。行事への参加は、学校との距離を少しずつ縮める第一歩となりやすいきっかけです。
別の学校に転校・入学した
環境を大きく変えることで不登校が改善するケースも多くあります。中学・高校への進学を機に登校できるようになった子、支援級へ転籍して手厚いサポートを受けられるようになった子、通信制高校へ入学して自分のペースを取り戻した子など、環境調整は非常に大きな効果があります。
また、支援級やフリースクール、教育支援センターなど、学校以外の選択肢が安心材料となる場合もあります。子どもに合った環境が整えば、自然と前に進む力が湧いてくるでしょう。
不登校解消のために親ができることは?

お子さまが学校に行けるようになるためには、家庭でどのように支えるかが大切なポイントです。ここでは、お子さまが再び前を向くために、保護者ができる4つのサポート方法を解説します。
安心できる居場所を作る
不登校のお子さまは、心身の疲れやプレッシャーから「自分の居場所がない」と感じている場合があります。まず大切なのは、家庭を安心できる場所にすることです。親が「学校に行かないこと」を責めず、今の状態を受け止めてくれるだけで、お子さまは安心感を得られます。
また、普段通りの生活リズムを保ちながら、家族として自然に過ごせる時間を作ることも効果的です。安心できる居場所があると、自分から動き出す力が少しずつ戻り、次の一歩につながっていきます。
適切なコミュニケーションを取る
親子のコミュニケーションは、不登校の改善にとても大きな影響を与えます。とはいえ、「学校の話をしなきゃ」と意識しすぎると、逆にお子さまにプレッシャーを与えてしまうことがあります。大切なのは、お子さまが話したいときに話せる雰囲気を整え、否定せずに受け止める姿勢です。
また、アドバイスを押しつけるのではなく、いくつかの選択肢を示し、お子さま自身に選ばせることで自信が育っていきます。小さな前向きな行動を認めることが、次の一歩を生み出す力になります。
趣味や得意なことを伸ばすよう心がける
不登校の時期だからこそ、お子さまの興味や得意分野に目を向けることが大切です。好きなことに取り組む時間は心の回復につながり、「自分はこれができる」という自信を取り戻すきっかけになります。親も一緒に楽しんだり、話題を共有したりすることで、お子さまは「自分の世界が尊重されている」と感じ、心を開きやすくなります。
また、家庭内で簡単な役割を任せることも、成功体験を積む良い機会です。得意なことを伸ばす時間が、お子さまの自己肯定感を高め、将来への前向きな気持ちにつながっていきます。
フリースクールなどを活用する
学校以外にも安心して過ごせる場所を持つことは、お子さまの心の負担を軽くし、再登校への大きなステップになります。フリースクール、教育支援センター、習い事、地域の学習スペースなど、多くの選択肢があります。家庭とは異なる人との関わりができることで、社会とのつながりを取り戻しやすくなり、自信が育つケースも多く見られます。
ただし、どの場所が合うかはお子さまによって異なるため、親が一方的に連れていくのではなく、本人の気持ちを尊重しながら選ぶことが大切です。「行ってみてもいいかも」と思える環境に出会えれば、それだけで大きな変化につながるでしょう。
まとめ
不登校から一歩踏み出すきっかけは、友人とのつながり、頼れる大人との出会い、学校外での活動、専門家のサポートなど、多岐にわたります。どのケースにも共通しているのは、子どもが自分らしさを取り戻し、「ここなら安心できる」「もう少し頑張ってみよう」と思える環境や関係性が整った瞬間があったという点です。
不登校は決して珍しいことではなく、適切な支えがあれば必ず前進できます。お子さまのペースを大切にしながら、できるサポートから始めてみましょう。