不登校の子どもの居場所づくり|代表的な居場所も紹介
不登校の子どもにとって大切なのは、「学校に行けるかどうか」だけではありません。むしろ、安心して過ごせる居場所があるかどうかが、心の回復や次の一歩につながる大きな土台になります。
不登校の期間は、心や体が疲れ切っていることも多く、無理に前向きになろうとすると、かえって負担になることもあります。だからこそ、評価や比較をされず、「ここにいていい」と感じられる場所の存在が大切です。
当記事では、不登校の子どもの居場所に必要なポイントを整理した上で、具体的な居場所の種類と特徴について解説します。
【この記事はこんな方におすすめです】
- 不登校中の子どもを抱えている保護者
- 不登校の子どもに所属するコミュニティを作ってあげたい保護者
- フリースクールを検討している方<
目次
不登校の子どもの居場所として必要なポイントは?

不登校の期間は、学校に行かないこと自体よりも「安心して過ごせる居場所があるかどうか」が、その後の回復や成長に大きく影響します。学校以外にも、子どもが心を休め、自分らしさを取り戻せる居場所があることで、将来への見通しを少しずつ持てるようになることもあります。
ここでは、不登校の子どもの居場所を探す際に、どのような点を重視するとよいかを解説します。
自分が受け入れられる場所
不登校の子どもの居場所に欠かせないのが、「自分はここにいていい」と感じられるかどうかです。自分を理解してくれる人がいる、悩みを聞いてくれる存在がいる、大切に扱われていると感じられることが、子どもに安心感を与えます。この感覚がないと、どれほど環境が整っていても心は休まりません。
子どもが素直な気持ちを表現できるかどうかは、居場所選びでは特に重視したいポイントです。
ゆっくり考えられる場所
不登校の子どもは、これまでの学校生活や人間関係、これからのことについて多くの不安や迷いを抱えている場合があります。そのため、時間に追われず、自分のペースで物事を考えられる環境が必要です。静かに過ごしたり、ぼんやり考え込んだりできる時間は、心を整理するうえでとても大切です。
周囲から急かされず、マイペースでいられる場所であれば、子どもは安心して自分自身と向き合えるでしょう。
自分の好きなことができる場所
居場所には、子どもが自分の好きなことに取り組める「行動の自由」も求められます。誰にも邪魔されず趣味に没頭できたり、自分だけの時間を過ごせたりすることで、気持ちが前向きになることがあります。ときには「寝ることができる」ほどの自由が、心の回復につながる場合もあるでしょう。
自宅以外の場所で完全な自由を確保するのは難しいものの、ある程度選択の余地がある環境は理想的です。好きなことができる居場所は、子どものエネルギーを少しずつ取り戻すきっかけになります。
精神的に無理をしなくていい場所
精神的な負担を感じずに過ごせることも、居場所として大切な条件です。無理に人に合わせたり、緊張を強いられたりする環境では、居場所がかえってストレスの原因になることがあります。他人の顔色を気にしなくてよい、必要以上に関わらなくてよい環境は、子どもによっては安心材料になります。
子どもの性格や状況に合わせ、無理なく過ごせる居場所を選びましょう。
不登校中の子どもの居場所は?

近年は、不登校の増加に伴い、不登校中の学び方や過ごし方の選択肢が広がってきています。大切なのは「どこが正解か」ではなく、今の子どもに合っているかどうかです。学習を重視した場所もあれば、心の回復を第一に考える居場所もあります。それぞれの特徴を知り、子どもの気持ちや状態に合わせて選ぶことが、安心して過ごせる居場所につながります。
ここでは、不登校の子どもたちにとっての代表的な居場所を紹介します。
学びの多様化学校
学びの多様化学校は、以前「不登校特例校」と呼ばれていた、文部科学省が認可する学校です。学習指導要領に縛られず、不登校の子どもの実態に配慮した特別な教育課程を編成できる点が大きな特徴です。始業時間を遅らせたり、授業時間を短縮したりと、子どもの負担を軽減する工夫がされています。
通学することで卒業資格を取得でき、在籍校に籍を置く必要もありません。不登校への理解がある環境で学びたい子にとって、有力な選択肢といえるでしょう。ただし、設置数はまだ少なく、地域によっては通えない場合があります。
教育支援センター
教育支援センターは、市区町村の教育委員会が中心となって運営する公的機関です。主に小・中学生の不登校児童生徒を対象に、学習支援や集団活動、カウンセリングなどを行っています。学校との連携が密で、通所が出席扱いになるケースも多い点が特徴です。学校復帰を目標としている施設が多く、学習の遅れを取り戻しながら段階的な登校を目指せます。
一方で、復学を前提とした支援が合わない子どもには、プレッシャーになることもあります。あくまで一時的な居場所として捉え、子どもの気持ちを確認しながら利用することが大切です。
フリースクール
フリースクールは、NPOや民間団体が運営する教育・居場所支援施設です。不登校や引きこもりの子どもを対象に、学習だけでなく人との関わりや安心して過ごせる時間を提供しています。全国に数多くあり、理念や活動内容は施設ごとに大きく異なります。
多くのフリースクールでは、子どもの気持ちを尊重し、無理に通学や学習を強制しない姿勢が取られています。その一方で、利用料がかかることや、支援の質に差がある点には注意が必要です。フリースクールを検討する際は、体験利用などを通じて、子どもに合うかどうかを見極めることが大切です。
塾
不登校の間も、塾には通えるという子どもは少なくありません。学校よりも滞在時間が短く、目的が明確なため、心理的なハードルが低いことが理由の1つです。学習の遅れが気になる場合や、得意科目を伸ばしたい場合、塾は有効な居場所になります。
また、学校とは異なる環境で人と関わることで、気分転換や社会とのつながりを保つことにもつながります。ただし、塾は学習中心の場であり、心の回復を最優先したい時期には負担になることもあるので、子どもの状態を見ながら、無理のない範囲で利用するとよいでしょう。
地域のコミュニティ
地域のコミュニティには、子ども食堂や居場所づくり団体、ボランティア活動など、さまざまな形があります。年齢や立場の異なる人と関われるため、学校とは違った安心感を得られることもあります。学習や登校を目的としないため、プレッシャーを感じにくい点が特徴です。
一方で、人との関わりが刺激になりすぎる場合もあるため、子どもの性格に合うかどうかを必ず確認しましょう。
ホームスクール
ホームスクールは、家庭を中心に子どものペースで学びや生活を整えていく考え方です。学校や外部の居場所に強い拒否感がある子どもにとって、安心できる選択肢となります。決まったカリキュラムに沿う必要はなく、遊びや体験、日常生活を通して学びを広げていく家庭も多くあります。元気を取り戻した後に、フリースクールや学習サービスを利用し始めるケースも少なくありません。
一方で、情報が少なく、保護者の負担が大きくなりやすい点には注意しましょう。
まとめ
不登校の子どもの居場所を考える際に大切なのは、「正解の場所」を探すことではなく、「今の子どもに合っているかどうか」という視点です。自分が受け入れられていると感じられ、無理をせず、好きなことや自分のペースを大切にできる環境は、心の回復につながります。
学びの多様化学校や教育支援センター、フリースクール、塾、地域のコミュニティ、ホームスクールなど、居場所の形はさまざまですが、それぞれに向き・不向きがあります。大切なのは、子どもの気持ちを尊重しながら選択肢を知り、必要に応じて見直していくことです。
安心できる居場所があることは、子どもが自分らしさを取り戻し、次の一歩を考えるための大きな支えになるでしょう。