不登校で遅れた勉強に追いつくには?学習方法も解説

子どもが不登校になると、学校の勉強に遅れてしまうのではないかと心配する保護者の方は多いでしょう。しかし、勉強は必ずしも学校だけで行うものではないので、自宅やさまざまな学習手段を活用すれば、少しずつ追いついていけるでしょう。大切なのは、子どものペースに合わせて無理なく学習を続けられる環境を整えることです。
当記事では、不登校中でも勉強に追いつくためのポイントや学習を続ける方法、モチベーションを維持するコツについて分かりやすく解説します。子どもの「できる」を積み重ね、自信を取り戻すサポートをする際の参考にしてください。
【この記事はこんな方におすすめです】
- 子どもの不登校に悩んでいる方
- 不登校の子どもの勉強が心配な方
- 家で出来る学習方法を知りたい方
目次
不登校でも勉強に追いつくために必要なことは?
学習は学校だけで行うものではなく、自宅でも無理のないペースで取り組めば、徐々に理解を深めていくことができます。学校に通えなくても、個人に合ったやり方で少しずつ勉強を進めていきましょう。
ここでは、不登校でも勉強に追いつくために大切なポイントを4つに分けて解説します。
どこまで理解できているのか把握する
学校の勉強に追いつくために最も大切なのは、子どもがどこまで理解できているかを正しく把握することです。学校の授業は積み重ねで進むため、基礎が抜けていると先の単元が理解しづらくなります。
まずは教科書やノートを振り返り、「どこから分からなくなったのか」を確認しましょう。簡単な問題を解いてみて、得意な単元と苦手な単元を整理するのも効果的です。必要であれば学年をさかのぼって基礎を固めると、その後の学習をスムーズに進められます。
短時間でも勉強する習慣をつける
勉強に追いつくためには、長時間机に向かうよりも「毎日続ける習慣」をつけることが大切です。最初から1時間以上勉強するのは大変なので、まずは15分程度から始めましょう。慣れてきたら30分、45分と徐々に時間をのばしていくと無理なく続けられます。
勉強するときは、動画教材やタブレット学習を取り入れると、ゲーム感覚で取り組めて続けやすくなります。大切なのは「続けること」なので、週末は休憩を取り入れつつも、学習する習慣を身につけましょう。
モチベーションが上がったら苦手科目に取り組む
勉強のモチベーションが十分に育っていない段階で苦手科目に挑むと、気持ちが折れてしまいがちです。まずは得意科目や好きな科目から始め、学習に対する自信と成功体験を積み重ねましょう。たとえば数学が苦手なら、得意な国語や理科で勉強習慣をつけてから数学に戻り、基礎問題から始めていくとスムーズです。
苦手科目を克服するには「小さな達成感」を繰り返すことがポイントです。得意分野でモチベーションを高めた上で苦手分野に挑戦すると、無理なく学習を進めることができます。
無理のない目標を立てる
不登校中でも学校の勉強に追いつくためには、明確で現実的な目標を立てることが大切です。大きすぎる目標を設定すると挫折の原因になるため、「今日は漢字を10個覚える」「数学の問題を1ページ解く」といった小さな目標から始めましょう。達成できたらしっかり褒めることで、次のやる気につながります。
学習量を増やすときは、生活サイクルを整えることも大切です。規則正しい睡眠や食事、適度な運動を取り入れると集中力が高まり、勉強の効率も上がります。長期的な目標として「テストで前回より点数を上げる」を設定し、段階的な目標を設定すると、無理なく勉強を継続できます。
不登校でも勉強を続ける方法
不登校になったとき、学習を続ける方法は学校だけに限りません。自宅での自主学習から塾・家庭教師、フリースクールや通信教育など、子どもに合った学び方を選ぶことで、無理なく勉強を継続できます。
大切なのは「自分に合った学習環境」を見つけることです。ここでは、不登校中でも勉強を続けやすい5つの方法を紹介します。
自主学習
最も取り組みやすい方法が、自宅で行う自主学習です。学校の教科書やワークを使って復習したり、市販のドリルや動画教材を活用したりしながら、基礎をしっかり固めていきましょう。特にタブレット教材や教育系動画は、ゲーム感覚で学べるため飽きにくく、自分のペースで進められるのが魅力です。
ただし、勉強するペースの管理を子どもが自分で行うのは難しいケースもあるため、保護者が一緒に学習計画を立てたり、学習時間を見守ると習慣化しやすくなります。自主学習は、勉強を始める最初の一歩として取り入れやすい学習スタイルです。
塾
集団塾は同じ年齢の生徒と一緒に学ぶため、刺激を受けながら勉強を進められる点がメリットです。一方、個別指導塾は子どもの理解度に合わせて授業を進めてもらえるため、不登校で学習が遅れている場合でも安心です。子どもに合った塾を選び、勉強の遅れを取り戻しましょう。塾は勉強面だけでなく、学習リズムや生活リズムを整えるきっかけにもなります。
ただし、塾に通うには「外に出る」というステップが必要です。「通う」のが難しい場合は、まずは短時間から始めたり、オンライン授業に対応している塾を利用しましょう。
家庭教師
家庭教師は、自宅で一対一の指導を受けられる学習方法です。子どもの理解度やペースに合わせて授業を進められるため、苦手科目の克服や基礎の振り返りにぴったりです。他の生徒がいないため、安心して質問できる環境が整いやすく、不登校の子どもでも勉強を進めやすいでしょう。
学習だけでなく、先生とのコミュニケーションが自信や安心感につながる点も魅力です。
フリースクール
フリースクールは、学校以外で学習や生活の場を提供する教育機関です。学習だけでなく、子どものペースに合わせた活動を行えるため、無理なく学びを続けられます。
フリースクールで仲間と一緒に過ごす時間が増えると、孤独感の軽減や社会性を育む効果も期待できます。また、学校との連携をしてくれるフリースクールも多く、フリースクールに登校していると出席扱いになる場合もあります。
勉強だけでなく、心のケアや人とのつながりを重視したい場合はフリースクールを検討してもよいでしょう。
通信教育
通信教育は、自宅に教材が届き、自分のペースで学習を進める方法です。大手サービスでは、テキストや映像授業に加え、分からないところを質問できるサポートを行っているところもあります。
通信教育は、外に出る必要がなく、家庭のリズムに合わせて取り組める点で、不登校の子どもにとって負担が少ない学習方法といえます。学習習慣を整えるきっかけにもなりやすく、「自分で学ぶ力」を育てる効果も期待できます。
不登校中に勉強を続けるためのコツは?
不登校中の勉強は、モチベーションを保つことが大きな課題ですが、大切なのは「無理をしない」ことです。不登校の子どもは心が疲れていることも多く、無理に勉強しようと思うと逆効果になるケースがあります。やる気が出ないときは休む勇気を持ち、趣味や好きなことに取り組んで心を回復させましょう。
そして「勉強する意味を考える」ことも欠かせません。将来やりたいことを想像し、「そのために勉強が必要なんだ」と納得できると、自主的に勉強する意欲が生まれます。勉強を義務ではなく「自分の人生を広げる手段」ととらえることが、不登校でも勉強を続けるための最大のポイントです。
まとめ
不登校であっても、学習を続けて追いつくことは十分に可能です。
大切なのは「どこから理解が難しくなったか」を把握し、基礎を丁寧に固めることと、短時間でも勉強を継続する習慣を作ることです。無理のない目標を設定し、小さな達成感を積み重ねることが無理のない継続につながります。学習の手段も、自主学習だけでなく塾・家庭教師・フリースクール・通信教育など複数あるので、子どもに合ったスタイルを選びましょう。
勉強を義務ではなく、「将来を広げる手段」としてとらえることで、子ども自身が前向きに学習へ取り組めるようになります。不登校という状況でも、自分のペースで一歩ずつ進むことが勉強に追いつく最良の方法です。